Information Disclosure大阪急性期・総合医療センター

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各指標データ(3.2MB)

急性期医療からリハビリまで、総合力を活かし、一貫した良質な医療を提供します

当センターは、救命救急医療、循環器医療などの急性期医療、がん、腎移植などの高度専門医療、他の医療機関では対応が困難な合併症医療、さらにはパーキンソン病などの難病医療等々、総合力を活かした医療に取り組んでいます。平成19年度に大阪府立身体障がい者福祉センター附属病院を統合し、障がい者医療・リハビリテーション医療部門を設置して、急性期からリハビリテーションまで一貫した医療を提供しています。平成23年度にIVR-CT(Hybrid ER)を導入し、平成24年度に導入したPET-CTに加え、いち早く手術支援ロボットda Vinci Sを導入し、平成26年度にはTAVIを導入しました。平成30年度には小児・周産期部門の機能強化と、生殖医療センターと遺伝診療センターの開設があり、地域の中隔医療機関としての先進的な能力を大幅に拡充しています。
特に救命救急医療においては、脳疾患、心疾患、交通外傷などはもちろん最重症合併症妊産婦や、広範囲熱傷や四肢切断、急性中毒などの特殊疾病患者、さらには精神科救急での身体合併症患者などの重篤な患者を受け入れており、平成22年度から全国25番目の高度救命救急センターの承認を受けています。また、大阪府の基幹災害医療センターとして、大規模集団災害発生時には、単に被災者の受入れや初期治療を行うだけではなく、府内の災害拠点病院間の調整や普段の災害教育も役割として期待されています。さらに、平成23年3月11日の東日本大震災では、発災当初からDMATの派遣を行いました。また、国の指定を受けた地域がん診療連携拠点病院として幅広いがん診療を展開し、ゲノム医療の準備を進めています。
地域医療支援病院として地域に根ざした医療を展開すべく、病院全体で病診連携研修会を定期的に開催し、診療科毎にも連携セミナーを開くなど、地域の医療機関との密な連携で紹介率や逆紹介率を順調に伸ばしています。また、高度な医療の提供による貢献だけでなく、やすらぎを与え、優しくて思いやりのある病院を目指して、患者・府民の視点から患者にわかりやすい説明の徹底、療養環境アメニティの向上などにも取り組んできました。
平成25年4月には「医療機関が開設する法人の研究部門」として正式に、臨床研究センターを開設しました。(現臨床研究支援センター)これにより臨床研究をさらに推進させ医療の質の向上を目指しています。
医療を担う人材育成にも尽力し、医師をはじめ、多くの医療職が当センターを実習の場としております。医学部、看護系大学等から受け入れている看護師、薬剤師、放射線技師、理学療法士、検査技師、臨床工学士、救急救命士等の学生数は府内でも最大級であり、また種々の学会から専門医や専門薬剤師等の研修施設としても認定を受けています。
今後も、総合力を活かし、救命救急医療や高度専門医療において急性期からリハビリテーションまで一貫して、日本の医療をリードする病院を目指しています。

共通主要指標

100床当たりの常勤医師数

年度医師数
令和4年度 20.6人
令和3年度 21.3人
令和2年度 21.6人
当センターでは
救命救急、急性期医療からリハビリテーションまでの一貫した機能を持つ病院として、多様な診療科の医師、140人以上を有し、合併症の対応等、総合力を活かした医療を提供しています。
参考値
一般病院(500床以上)の公立病院の平均値 33.2人/100床
(公営企業年鑑 令和3年度版)

紹介率・逆紹介率

年度 紹介率 逆紹介率
令和4年度 82.1% 84.8%
令和3年度 80.3% 94.8%
令和2年度 80.7% 95.0%
当センターでは
医療の質と総合力を活かし、地域の医療機関と連携を進め、平成20年2月に地域医療支援病院の認定を受けました。今後地域連携が、患者の治療の向上につながるように、さらなる連携強化を進めています。
参考値
地域の医療機関から重症患者を受け入れる「地域医療支援病院」においては、(1)紹介率80%以上、(2)紹介率65%以上、かつ逆紹介率40%以上、(3)紹介率50%以上、かつ逆紹介率70%以上のいずれかを満たすことが条件となります。)
※表中の実績は地域医療支援病院の定義で算出しておりません。

転倒・転落率

年度転倒・転落率
令和4年度2.54‰
令和3年度2.62‰
令和2年度3.00‰
当センターでは
救命救急医療からリハビリまでの幅広い患者を受け入れている総合病院として、療養生活の安全性向上にも取り組んでいます。とくに入院患者の高齢化に伴い、ベッド周囲の環境整備や履きなれた靴の推奨など、転倒・転落予防に配慮しています。
参考値
日本病院会平均値 2.76‰(令和4年度)
‰:パーミル (千分率)千分の1の割合を示します。

手術後の肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症(静脈血栓塞栓症)の発症率

年度発症率
令和4年度0.02%
令和3年度0.08%
令和2年度0.04%
当センターでは
急性期医療を担う当センターでは、手術の実施条件も多く、多岐に渡る手術を実施しています。また、7対1看護体制を充実させ、肺血栓塞栓症予防の術後管理に備えています。

死亡率

年度死亡率
令和4年度3.5%
令和3年度3.2%
令和2年度2.5%
当センターでは
38の専門分化した診療科を有しており、中には眼科や皮膚科、リハビリテーション科といった患者の死亡退院に直接影響しない診療科も多数ありますが、救命救急を担う急性期の基幹病院として、重篤な患者が多い等の特色がありながら、高度で総合的な医療を提供することで死亡率を低めに抑えています。
参考値
日本病院会平均値 3.9%(令和4年度)

患者満足度調査

年度 入院 外来
令和4年度 90.9% 75.8%
令和3年度 90.5% 78.3%
令和2年度 91.2% 78.6%
当センターでは
平成18年度の独立行政法人化後、設備の改修や、コンビニ等の誘致など、さまざまな面での患者サービスに取り組んできました。この結果はとくに外来患者の満足度に表れています。また、調査の結果をもとに職員に情報を共有し、改善に取り組んでいます。
参考値
日本病院会平均値 89.8%(入院)
日本病院会平均値 83.8%(外来)
(令和4年度 満足またはやや満足と回答した患者の割合)

1救え!一秒でも早く、一人でも多く高度救命救急センター受入れ患者の疾病構造

指標の概要

救急医療への貢献度が表れる指標です。高度な急性期医療を提供するという特徴から重篤な疾患の割合が多い方が良いという指標の見方になりますが、応需できる救急搬送の幅とも併せて見ることで、救急医療への対応がよりよく見えていきます。
当センターの高度救命救急センターでは、TCU(救急診療科の集中治療室)やSCU(脳卒中集中治療室)、CCU(心疾患集中治療室)などの専門的な救命救急だけでなく、広範囲熱傷、四肢切断、急性中毒などの特殊疾患患者の治療や、初期救急では対応できない中等症患者までを担います。

指標

指標

指標のレベル・ベンチマーク

厚生労働省の令和4年度救命救急センター評価(令和4年1月~12月実績に基づく評価)の公表によれば、救急搬入数は6,921人と、大阪府に16か所ある救命救急センターの中でもトップクラスです。このうち、重篤な患者の搬入数は1,226人でした。この重篤な患者の搬入では、府内で約7%、市内では約18%を占めています。
当センターでは3次救急だけでなく2次救急等にも力を入れていることから、この指標の値と公表の救急搬入数には差が生じています。

病院の強みと指標における特徴

平成22年7月に大阪府から高度救命救急センター(30床)の設置が承認されました。全国で25番目の承認、府内では3番目の設置となリます。
より高度な機能を有する基幹救命救急センターとして34診療科の総力を挙げた協力体制の下、従来からの三次救急体制に加え、心疾患・脳疾患・消化器疾患・小児科疾患を担う二次救急体制の確立や特殊病態救急医療(平成22年5月には精神救急・合併症の施設基準を全国で6番目に取得し、同年10月には地域周産期母子医療センターの認可)の充実にも力を注いでいます。

指標の定義、計算方法

受け入れ患者疾病構造とは救命救急センターに搬送された患者を疾病構造別に分類した数値

2エキスパートな経験とガイドラインの併用で、生存率を向上敗血症の死亡率

指標の概要

従来、敗血症は病原体が体内に侵入することによって引き起こされる感染症の中でも、発熱、頻呼吸、頻脈などの全身症状を伴う状態を指していました。しかし2016年にその定義が見直され、「敗血症(sepsis)」は感染に伴う全身症状に加えて、腎障害や肝障害などの臓器障害を伴う病態と定義されました。敗血症に気づき、早期から治療介入を始めるために、2004年に世界的な治療ガイドラインが作成され、それ以来世界標準の治療が行われてきました。重症敗血症に関して2005年から2011年の米国での調査ではその病院死亡率は28%であり、日本における最新の研究でも20~25%程度と報告されています。そこで、本指標では過去の症例を新しい定義に当てはめて生存率を比較します。

指標

指標

指標のレベル・ベンチマーク

当センターでの敗血症による死亡率は平成28年12.3%、平成29年12.6%、平成30年17.2%、令和元年18.1%、令和2年11.6%、令和3年19.4%、令和4年20.4%と、近年の先進国からの報告に比べても良い治療成績となっています。ガイドラインを順守することは大切ですが、それは標準的な治療内容であり、時には長い経験から裏打ちされた治療を取り入れることがガイドラインで対応できないケースをカバーすると考えています。今後、さらに診療の質を向上させることで敗血症による死亡率を10%以下まで下げることが当センターの目標です。

病院の強みと指標における特徴

当センターでは、日本で作られたトロンボモジュリン製剤やグラム染色を活用した迅速な細菌検査など、先進的かつ集学的な敗血症の治療を行っており、その成果を論文発表してます。一人一人、患者さんをベッドサイドで集中監視を行い、少しの変化にすぐに対応できる環境を整えています。それらにより、標準をこえたエキスパートな治療を行い、生存率を向上させるよう取り組んでいます。

指標の定義、計算方法

分子:敗血症の死亡数
分母:敗血症の診断患者数
(2015年以前のsevere sepsisを現状のsepsisと定義して比較)

3充実した専門診療が、生命を救います緊急PCIを施行した急性心筋梗塞患者(来院時心肺停止症例を除く)の入院死亡率

指標の概要

急性心筋梗塞からの救命は、経皮的冠動脈形成術(PCI)などにより閉塞した血管を再開通させ、合併する重症ポンプ不全や致死性不整脈、心破裂などを如何に対処するかにかかっています。
そのためには、心臓内科・心臓外科・麻酔科などの医師やコメディカルから構成される、充実した緊急PCI体制を整備する必要があります。当センターでは、そのPCI体制を整え、入院死亡率を低く抑えています。

指標

指標

指標のレベル・ベンチマーク

当センターにおける平成26年から令和元年までの6年間の平均死亡率が3.3%であったのに対して、大阪大学循環器内科が関連病院の登録研究で収集したデータでは他施設平均値が7.8%であり、当センターの死亡率は有意に低いものでした。令和4年度においてはCOVID-19感染症によるCCU受け入れ制限やシステム障害にもかかわらず急性心筋梗塞患者は104例と増加し、院内死亡率は3.8%でした。最近の数年間では疾患の高齢化・合併症の多様化にもかかわらず、目標の5%以内達成を維持できています。

病院の強みと指標における特徴

当センターでは、オンコール体制の強化やコメディカルを含めたカテーテル室緊急PCI体制の充実により、入院死亡率を低く抑えられています。カテーテルによる血栓吸引療法、レーザー治療やショック例に対するIABP/PCPSおよび昨年末から導入したIMPELLAなどの最新医療機器も使用可能です。今後も治療体制と合併症に対するチーム医療の更なる充実を図り、緊急PCIを施行した急性心筋梗塞入院患者(来院時心肺停止例を除く)入院時死亡率は、5%以下に継続的に低下させることを目標とします。

指標の定義、計算方法

分子:分母のうち死亡退院患者数
分母:急性心筋梗塞患者のPCI施行件数
分母対象:各年に退院した患者

424時間オンコール。いのちを守る。急性心筋梗塞患者の夜間緊急対応

指標の概要

急性心筋梗塞からの救命は、その原因である冠動脈閉塞の発症後、いかに早くカテーテルを用いて上手く再疎通させる(冠動脈形成術:PCI)かがとても重要となります。そのためには、Door to Balloon Time(病院到着からPCIまでの時間)を短縮化できるよう、スタッフを含めた緊急PCI体制を整備する必要があります。夜間緊急受診のうち、ST上昇型急性心筋梗塞患者に対するDoor to Balloon Timeは、人員体制がやや希薄な夜間帯にも早急にPCIが行えているかを示しています。

指標

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指標のレベル・ベンチマーク

令和4年度の夜間緊急受診のST上昇型急性心筋梗塞患者は24例でした。そのうち、90分以内のDoor to Balloon Time達成患者は24例(100%)でした。令和4年度においてはCOVID-19感染症によるCCU受け入れ制限やシステム障害の影響にもかかわらず症例数は増加いたしました。また高齢化に伴う複雑な多疾患合併心筋梗塞患者が増加しているにもかかわらず、達成患者割合は高値を維持しています。

病院の強みと指標における特徴

当センターでは、24時間のオンコール体制の強化やコメディカルを含めたカテーテル室緊急PCI体制の充実により、夜間緊急受診のST上昇心筋梗塞患者における90分以内のDoor to Balloon Time達成率を100%になることを目標とします。また、急性心筋梗塞の重篤な合併症である心破裂や重症心不全に対しても緊急手術が可能です。CCUやICUを退室した後は心臓血管の専門病棟やリハビリに特化した病棟で治療を継続いたします。

指標の定義、計算方法

分子:分母のうち、90分以内のDoor to Balloon Time達成患者数
分母:夜間緊急受診のST上昇心筋梗塞患者

5新しい選択肢のための、新しい治療法の安全な実施経カテーテル的大動脈弁置換術の実績

指標の概要

近年の高齢化社会に伴い、高齢かつ重篤な合併症を有しているハイリスクな重症大動脈弁狭窄症患者が増加しています。従来の外科的人工弁置換術が困難であるハイリスクな重症大動脈弁狭窄症に対して、経カテーテル的に治療できる低侵襲治療(経カテーテル的大動脈弁置換術:TAVI)が平成25年10月から保険診療に償還され、関連する学会や協議会が定める厳格な施設・実施基準を通過した医療機関で導入されています。脳梗塞、血液の逆流、心筋梗塞といった合併症が10%、死亡率が1~5%あると言われていますが、機器の改良によって死亡率は減少傾向にあります。

指標

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指標のレベル・ベンチマーク

ハイリスクな大動脈弁狭窄症患者にTAVIを平成26年10月から開始し、平成27年度は28症例、平成28年度は50症例、平成29年度45症例、平成30年度57症例、令和元年度66例、令和2年度63例、令和3年度70例、令和4年度70例と実施件数は年々増加しております。令和4年度末で計446例施行し、術後30日目までに6例の死亡症例(1.3%)がありました。本邦の30日死亡率は約2%であり、分母の違いによるスケールの差はありますが概ね全国平均レベルの良好な結果を得ています。

病院の強みと指標における特徴

当センターでは関西で6番目の施設として認定され、平成26年10月からTAVIを開始しています。さらに平成27年4月からはTAVI外来を設置し、手術ハイリスク患者の診療を行っています。心臓内科、心臓血管外科、麻酔科などから構成されるハートチームを充実させ、重症度の高いハイリスク心疾患患者に対する高度な専門診療や集中治療を提供し、術後30日死亡率2%以下を目指しています。

指標の定義、計算方法

経皮的大動脈弁置換術の実施件数

6総合的な「がん」診療のレベルアップ、地域のためにすべきことの一つですがん患者の退院患者数

指標の概要

わが国の死因の第一位は昭和60年から「がん」によるもので、その後も増加を続け、がん患者として受診する患者も大変多くいます。部位別にみたがん患者数では、「5大がん(患者数が多い、胃・大腸・肺・肝臓・乳房に発生するがんを総称したもの)」が半数を超えています。
また、がん患者の多くはがん以外の種々の併存症を有しており、これら複合疾患に対しては複数科の医師がチームで診療に当たることが必要です。「5大がん」はもちろんのこと、他の部位に発生する「がん」や併存疾患に対して、最先端かつ専門的な深く広い医療を提供することが基幹総合病院の使命の一つです。

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指標のレベル・ベンチマーク

平成30年度の大阪府がん診療拠点病院におけるがん患者の平均退院患者数は約1,700人ですが、当センターの年間がん退院患者数は2,682人と平均を大きく上回っています。また、令和4年に当センターで新たに診断されたがん患者数は1,906人で、これも平均を大きく上回っています。

婦人科がん(子宮,卵巣)をはじめ、発生部位によっては退院患者数が減少傾向にあります。これは、多くが入院で行なわれていた抗がん剤治療が、薬や副作用対策の進歩と患者ニーズに伴って外来治療へ移行されていることを反映しています。

病院の強みと指標における特徴

当センターでは平成24年7月から"ダ・ヴィンチS"を使用したロボット支援鏡視下手術を、前立腺がん、腎がん、大腸がんの患者に行っています。放射線治療は"Novalis Tx"を導入し高精度治療を行っています。諸臓器に対する定位照射(いわゆるピンポイント照射)の他、前立腺癌などに対する強度変調放射線治療(IMRT)、高線量率小線源治療装置を用いた子宮頸癌腔内照射や前立腺癌密封線源永久挿入療法を行っています。また、抗がん剤の腹腔内投与などの先進医療も積極的に行っています。これらの先端医療や多職種で構成されたチーム医療により、急性期治療から緩和ケアまで総合的な治療を行っており、さらにがん医療のすべての課程においてリハビリテーション科が関与し、がん医療の質の向上とがん患者のQOL(生活の質)の向上を図っています。

指標の定義、計算方法

主病名が悪性新生物となる退院患者数

7QOL改善と社会復帰のため、腹膜透析の普及に取り組む腹膜透析新規導入数と管理患者数

指標の概要

我が国における令和4年末の維持透析患者数は約35万人ですが、そのうち96%は血液透析を施行されており、腹膜透析はわずか2.4%に留まっており、諸外国に比して異常に低い普及率となっています(世界の平均普及率9%)。腹膜透析は残腎機能を保護し、高いQOL(生活の質)と社会復帰を実現できる優れた在宅医療ですが、我が国では実施可能施設が限られていること、それと関連して腎代替療法選択において十分なインフォ-ムドコンセントが実施されていないことなどが原因としてあげられます。

指標

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指標のレベル・ベンチマーク

令和4年の新規腹膜透析導入患者は3名でした。また、令和4年末時点で維持管理を継続している患者数は25人となります。

病院の強みと指標における特徴

当センターでは「腎疾患のト-タルケア」を目指しており、腹膜透析さらには腎移植の普及のため、腎代替療法選択外来に加え、腹膜透析準備外来などを開設し、十分な時間をかけて療法選択を実施しています。令和4年の新規腎代替療法(血液透析、腹膜透析、腎移植)導入患者数は97例で、全国有数の導入病院となっています。また、腎臓高血圧内科では消化器外科の協力のもと、腹膜透析用カテ-テル挿入をはじめ、合併症発症時には腹腔鏡を用いた原因精査を実施しており、より安全で確実な導入・診断・治療が可能となっています。

指標の定義、計算方法

・年間腹膜透析導入患者数
・年度末時点の腹膜透析患者管理数

8腎不全患者がよりよい生活を楽しむために。腎移植への積極的な取組み腎移植実施件数と、大阪府内の寄与率

指標の概要

末期腎不全における腎代替療法の手段として透析療法が広く認知されています。透析療法では体内に蓄積された尿毒素および水分の除去は可能ですが、造血、骨代謝、血圧調整といった内分泌作用を補うことはできません。腎移植を行うと、腎臓が持っているほぼすべての機能を回復させることができます。もちろんいろいろな制限も少なくなります。腎移植にはご家族から提供していただく生体腎移植と亡くなった方から提供していただく献腎移植があります。
免疫抑制剤や管理技術が進歩したことにより、生体間では血液型不適合腎移植や夫婦間腎移植といったハイリスクな場合でも移植可能かつ良好な成績を得ることができるようになっています。また最近では一度も透析療法を介さず腎移植を行う(先行的腎移植)方も増えています。

指標

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指標のレベル・ベンチマーク

当センターでは昭和59年の第1例から数えて、令和3年12月末までに全482例(生体腎移植403・献腎移植79)を実施しています。府下の腎移植施設は13施設ありますが、当科でも移植施設として十分な機能を果たしていると考えます。移植後の生着率においても全国的に極めて良好な成績をあげています。

病院の強みと指標における特徴

日本において末期腎不全における腎代替療法は透析療法が主となっています。理由として腎移植が十分認知されていないこともあげられます。当センターでは学会発表や論文を通じた治療成績の発表だけでなく、周辺の病院と連携して医師・看護師を含めた医療従事者向けの勉強会を開催することで、移植医療への理解が拡大することを目指しています。
平成14年からはドナーの移植用腎採取術に、生体腎の提供においては提供者の負担を極力減らすべく、侵襲の少ない腹腔鏡下での腎摘出術を行っています。また、ハイリスク症例といわれる血液型不適合腎移植・小児腎移植・二次移植にも積極的に取り組んでいます。総合医療センターという強みを活かし、術後の合併症治療にも尽力しています。

指標の定義、計算方法

各数値は日本臨床腎移植学会による集計報告を基にした。

9将来の健康を支える、今の積極的な取組み治験・臨床研究実施件数

指標の概要

治験とは厚生労働省から新しく医薬品・診療材料として承認を得るために、患者の協力を得て行われる臨床試験のことです。治験を実施する病院は「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」という規則に定められた要件を満たす病院が、企業や研究機関より依頼されます。また臨床研究とは、新たな医療の開発に関する研究を医師主導型で行われるものです。
治験および臨床研究への貢献度が、一定水準を満たした質の高い医療機関であると同時に、スタッフの将来の医療に対する積極性な姿勢も評価される指標となります。

指標

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指標のレベル・ベンチマーク

新規治験件数は15件と前年度11件に比べて増加しています。
臨床研究は115件で、前年度に比べて減少しています。がん拠点病院としてがんに関する治験、臨床研究は維持傾向にあります。

病院の強みと指標における特徴

当センターは総合病院であり、幅広い専門診療科で治験実施が可能であり、複数科で対応する必要がある治験、希少疾患の治験にも対応できます。平成25年度から医師主導治験にも参加しています。
また、幅広い臨床研究に積極的に参加し、新しい医療の開発に寄与しています。臨床研究では全国レベルや大学主導の多施設共同研究に数多く参加し、より良い医療をいち早く患者に提供できるよう努力しています。当センター独自の単独研究も施行し、その成果を内外に発信しています。

指標の定義、計算方法

・治験実施件数:年度内の契約件数
・臨床研究実施件数:年度内の委員会承認件数

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