平成19年度決算
府立5病院(急性期・総合医療センター、呼吸器・アレルギー医療センター、精神医療センター、成人病センター、母子保健総合医療センター)については、地方独立行政法人初年度である平成18年度に築いてきた法人として主体性、自律性が発揮できる経営体制の下、収入の確保を念頭においてより質の高い医療を提供することによる経営改善」を目指した取組を実施しました。
このたび、平成19年度決算(財務諸表)が大阪府知事により承認されました。
平成19年度の資金収支決算は6.3億円の黒字
・地方独立行政法人化2年目となる平成19年度は、初年度のようなSPD導入に伴う医療材料等の在庫圧縮効果などが期待できない中、各病院が収入の確保に積極的に取り組みました。
・営業収益は急性期・総合医療センターにおける障がい者医療・リハビリテーション医療部門の開設などの機能強化等により増加する一方、営業費用は診療体制の充実や退職給与金の増による給与費の増、材料費の増などにより増加しました。
・その結果、平成19年度の資金収支決算は6.3億円の黒字となりました。
各病院において、大阪府の医療施策の実施機関として、救命救急センター、難治性多剤耐性結核広域拠点病院、精神保健福祉法に基づく措置入院などの受入れ病院、がん診療連携拠点病院、総合周産期母子医療センター等の役割(政策医療)を着実に果たすとともに、医療需要の変化や新たな医療課題に適切に対応するための診療機能の充実や、患者サービスの向上のための取組を推進しました。(各病院の主な取組は、資料1)
また、人事面や財務面で弾力的、機動的な対応が可能な地方独立行政法人の特性を活かして、業務運営の改善及び効率化に取り組みました。
こうした取組の結果、平成19年度決算は、以下のとおりとなりました。
1.資金収支決算の状況
(1)収入の主な概要
急性期・総合医療センターにおける障がい者医療・リハビリテーション医療部門の開設による機能の充実、各病院における新入院患者の確保や診療単価の向上の取組等により、営業収益は、574.2億円となり、前年度決算と比べ、25.6億円の増となりました。
(2)支出の主な概要
支出については、前年度に引き続き、事務職員の削減等による給与費の抑制、SPDにより購入先の選定から価格交渉までを事業者に委ね一括調達を行い、適切な在庫管理を行うことで材料費の縮減などに取り組みました。
一方、急性期・総合医療センターにおける障がい者医療・リハビリテーション医療部門の開設による機能の充実や成人病センターにおける7対1看護体制、退職給与金の増加などに伴う給与費の増、材料費については前年度のようなSPD導入に伴う在庫圧縮など初年度効果がなかったこと、経費については、急性期・総合医療センターにおける電子カルテの導入や呼吸器・アレルギー医療センターにおける給食業務の全面委託化による増などにより、営業費用は、568.7億円となり、前年度決算と比べ、30.5億円の増となりました。
(3)資金収支差及び不良債務
平成19年度の資金収支差は、6.3億円の黒字となり、前年度との比較では、6.8億円減少しました。
この結果、累積資金収支の赤字(不良債務)は、6.3億円解消し、前年度末の52.7億円から46.5億円となりました。
○資金収支
(単位:億円)区分 | H19決算 | H18決算 | 増減 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
収入 | 629.1 | 610.6 | 18.5 | |||
営業収益 | 574.2 | 548.6 | 25.6 | |||
うち医業収益 | 453.0 | 434.2 | 18.7 | |||
うち運営費負担金※ | 118.6 | 113.0 | 5.6 | |||
営業外収益 | 8.8 | 10.7 | △1.9 | |||
資本収入 | 46.2 | 50.9 | △4.8 | |||
支出 | 622.8 | 597.6 | 25.2 | |||
営業費用 | 568.7 | 538.2 | 30.5 | |||
うち医業費用 | 561.1 | 530.6 | 30.4 | |||
うち給与費 | 318.4 | 303.9 | 14.4 | |||
うち材料費 | 139.2 | 131.3 | 7.9 | |||
うち経費 | 99.3 | 91.1 | 8.2 | |||
営業外費用 | 7.9 | 8.5 | △0.6 | |||
資本支出 | 46.2 | 50.9 | △4.7 | |||
資金収支差 | 6.3 | 13.0 | △6.8 |
※営業収益の運営費負担金は高度医療等に要する経費に対する負担金であり、企業債等の元金利息償還に対する負担金は営業外収益及び資本収入に含む。
2.財務諸表等(貸借対照表・損益計算書等)
貸借対照表・損益計算書等の財務諸表等は、資料2及び資料3のとおりです。資金を伴わない収益及び費用を含めた当期の損益(総利益)は、1.4億円の黒字となりました。
- 資料1...各病院の主な取組(PDF 14KB)
- 資料2...財務諸表等(法人合計)(PDF 389KB)
- 資料3...財務諸表(病院別)(PDF 76KB)
(お問合せ先)
地方独立行政法人大阪府立病院機構 本部事務局 財産・経理グループ
代表電話:06-6692-1580