平成21年度決算
平成21年度の資金収支決算は28.5億円の黒字
~法人設立後4年間で不良債務残高が65.7億円から2.5億円に減少~
・平成21年度は、医師、看護師等の不足など病院経営を取り巻く厳しい状況が続く中、各病院が医療サービスの質的向上と併せ、収入の確保に積極的に取り組みました。
・医業収益は、各病院において地域医療機関との連携による患者の確保や各種診療報酬加算の積極的な取得による診療単価向上への取組み等を行った結果、前年度と比べて31.9億円の増になりました。
・平成21年度の資金収支決算は、前年度の15.5億円から28.5億円の黒字となり、各病院とも不良債務解消に向け、職員一丸となって取り組んだ結果、 平成18年の法人設立時に65.7億円あった不良債務残高は、平成21年度末で2.5億円となり、第1期中期計画期間内(~22年度)で解消する目標達成に一定の目途がたちました。
各病院において、大阪府の医療施策の実施機関として、救命救急センター、難治性多剤耐性結核広域拠点病院、精神保健福祉法に基づく措置入院などの受入れ病院、がん診療連携拠点病院、総合周産期母子医療センター等の役割(政策医療)を着実に果たすとともに、医療需要の変化や新たな医療課題に適切に対応するための診療機能の充実や、患者サービスの向上のための取組みを推進しました。
また、人事面や財務面で弾力的、機動的な対応が可能な地方独立行政法人の特性を活かして、業務運営の改善及び効率化に取り組みました。
こうした取組みの結果、平成21年度決算は、以下のとおりとなりました。
1.資金収支決算の状況
平成21年度の資金収支差は、28.5億円の黒字となり、前年度の15.5億円から13億円の増となりました。この結果、累積資金収支の赤字(不良債務)は、28.5億円解消し、前年度末の31.0億円から2.5億円となりました。
(1)収入の主な概要
収入面では、急性期・総合医療センターなどの4病院で新入院患者数を増加させるなど、地域医療機関等との連携によって患者確保を図りました。また、7対1看護体制の導入(急性期・総合医療センター、呼吸器・アレルギー医療センター)、小児入院医療管理料の算定病棟の拡大(母子保健総合医療センター)など、診療・看護体制の充実による診療単価の向上に取り組みました。その結果、医業収益は前年度と比較して31.9億円上回る505.5億円となりました。このように、各病院における新入院患者の確保や診療単価の向上への取組み等により、営業収益は、前年度比29.3億円増の619.2億円となりました。
(2)支出の主な概要
支出面では、急性期・総合医療センターにおける患者数・手術件数の増などに伴う材料費の増加や、母子保健総合医療センターにおける電子カルテの導入等による経費の増加などがあった一方で、大阪府の期末・勤勉手当の改定状況等を踏まえた見直しや退職給与金の減、アウトソーシングの取組みなどにより、医業費用は578.4億円で、前年度と比較して11.2億円(対前年度2.0%増)の増にとどまりました。これにより、営業費用は585.5億円となり、前年度比10.0億円の増となりました。
○資金収支
(単位:億円)
区分 | H21決算 | H20決算 | 増減 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
収入 | 670.5 | 638.6 | 32.0 | |||
営業収益 | 619.2 | 589.9 | 29.3 | |||
うち医業収益 | 505.5 | 473.7 | 31.9 | |||
うち運営費負担金※ | 110.6 | 113.5 | ▲2.9 | |||
営業外収益 | 8.4 | 8.7 | ▲0.3 | |||
資本収入 | 43.0 | 40.0 | 3.1 | |||
支出 | 642.0 | 623.1 | 18.9 | |||
営業費用 | 585.5 | 575.5 | 10.0 | |||
うち医業費用 | 578.4 | 567.2 | 11.2 | |||
うち給与費 | 316.0 | 319.7 | ▲3.8 | |||
うち材料費 | 148.9 | 139.3 | 9.6 | |||
うち経費 | 108.7 | 103.7 | 5.0 | |||
営業外費用 | 5.7 | 7.3 | ▲1.6 | |||
資本支出 | 50.8 | 40.3 | 10.5 | |||
資金収支差 | 28.5 | 15.5 | 13.1 |
※営業収益の運営費負担金は高度医療等に要する経費に対する負担金であり、企業債等の元金利息償還に対する負担金は営業外収益及び資本収入に含む。
※端数はそれぞれ四捨五入を行っているため、「増減」や各科目の合計が一致しない場合がある。
2.財務諸表等(貸借対照表・損益計算書等)
地方独立行政法人大阪府立病院機構の平成21年度末の貸借対照表及び平成21年度の損益計算書は、次のとおりです資金を伴わない収益及び費用を含めた当期の損益(純利益)は、25.5億円の黒字となりました。
資料1...各病院の主な取組(PDF 90KB)
資料2...財務諸表等(法人合計)PDF PDF (4039KB)
資料3...財務諸表(病院別)(PDF 659KB)
(お問合せ先)
地方独立行政法人大阪府立病院機構 本部事務局 財産・経理グループ
代表電話:06-6692-1580