平成22年度決算
平成22年度の資金収支決算は33.3億円の黒字
~法人設立当初の不良債務残高65.7億円を解消~
・平成22年度は、医師、看護師等の不足など病院経営を取り巻く厳しい状況が続く中、各病院が医療サービスの質的向上と併せ、収入の確保に積極的に取り組みました。
・医業収益は、各病院において地域医療機関との連携による患者の確保や、診療報酬の改定に対応した施設基準の取得による診療単価向上への取組み等を行った結果、前年度と比べて28.0億円の増収になりました。
・平成22年度の資金収支決算は、前年度の28.5億円から33.3億円の黒字となり、平成18年の法人設立時に65.7億円あった不良債務残高は、平成22年度末で全て解消され、第1期中期計画期間内(~22年度)で解消する目標を達成することができました。
5病院において、大阪府の医療施策の実施機関として、高度救命救急センター(急性期・総合医療C)、難治性多剤耐性結核広域拠点病院(呼吸器・アレルギー医療C)、精神保健福祉法に基づく措置入院などの受入れ病院(精神医療C)、都道府県がん診療連携拠点病院(成人病C)、総合周産期母子医療センター(母子保健総合医療C)等の役割(政策医療)を着実に果たすとともに、医療需要の変化や新たな医療課題に適切に対応するための診療機能の充実や、患者サービスの向上のための取組みを推進しました。
また、人事面や財務面で弾力的、機動的な対応が可能な地方独立行政法人の特性を活かして、業務運営の改善及び効率化に取り組みました。
こうした取組みの結果、平成22年度決算は、以下のとおりとなりました。
1.資金収支決算の状況
(1) 収入の主な概要
収入面では、地域連携による紹介患者の確保などにより、新入院患者数を増加させるとともに、病棟、診療科間の調整を行うなど効率的な病床運営に努め、病床利用率を向上させました。急性期・総合医療センターの急性期看護補助体制加算や、呼吸器・アレルギー医療センターの結核病床における10対1看護体制の導入など、診療・看護体制の充実による診療単価の向上に取り組みました。その結果、医業収益は前年度と比較して28.0億円上回る533.5億円となり、営業収益については、前年度比29.9億円増の649.1億円となりました。
(2) 支出の主な概要
支出面では、医師の増員や法定福利費の負担増等による人件費の増加、新規の医療機器リースなどによる経費の増加、収益の伸びに伴う材料費の増加などにより、医業費用は595.5億円となりましたが、医業収益が前年度と比較して5.5%増加する中で、17.1億円(対前年度3.0%増)の増加にとどまりました。また、営業費用については、前年度比18.0億円増の603.5億円となりました。
(3) 資金収支差及び不良債務
平成22年度の資金収支差は、33.3億円の黒字となり、前年度の28.5億円から4.7億円の増加となりました。
この結果、累積資金収支の赤字(不良債務)は、完全に解消されました。
○資金収支
(単位:億円)
区分 | H22決算 | H21決算 | 増減 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
収入 | 706.5 | 670.5 | 36.0 | ||||
|
営業収益 | 649.1 | 619.2 | 29.9 | |||
|
うち医業収益 | 533.5 | 505.5 | 28.0 | |||
うち運営費負担金※ | 112.8 | 110.6 | 2.2 | ||||
営業外収益 | 8.4 | 8.4 | 0.1 | ||||
資本収入 | 49.0 | 43.0 | 6.0 | ||||
支出 | 673.2 | 642.0 | 31.2 | ||||
営業費用 | 603.5 | 585.5 | 18.0 | ||||
うち医業費用 | 595.5 | 578.4 | 17.1 | ||||
うち給与費 | 323.3 | 316.0 | 7.4 | ||||
うち材料費 | 152.4 | 148.9 | 3.5 | ||||
うち経費 | 114.8 | 108.7 | 6.1 | ||||
営業外費用 | 5.3 | 5.7 | ▲0.3 | ||||
資本支出 | 64.3 | 50.8 | 13.5 | ||||
資金収支差 | 33.3 | 28.5 | 4.7 |
※営業収益の運営費負担金は高度医療等に要する経費に対する負担金であり、企業債等の元金利息償還に対する負担金は営業外収益及び資本収入に含む。
※端数はそれぞれ四捨五入を行っているため、「増減」や各科目の合計が一致しない場合がある。
2.財務諸表等(貸借対照表・損益計算書等)
地方独立行政法人大阪府立病院機構の平成22年度末の貸借対照表及び平成22年度の損益計算書は、次のとおりです。当期の損益(総利益)は、30.2億円の黒字となりました。
資料1...各病院の主な取組(PDF120KB)
資料2...財務諸表等(法人合計)(PDF12198KB)
資料3...財務諸表等(病院別)(PDF2118KB)
(お問合わせ先)
地方独立行政法人大阪府立病院機構 本部事務局 財産・経理グループ
代表電話:06-6692-1580