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民間病院では処遇・対応困難な患者(薬物依存症・自傷他害性・重度かつ慢性等)の受入れ

アルコール、薬物などの各種依存症は、適切な治療と支援により回復が十分可能である一方、本人の症状認否等により治療が難しい疾患です。

大阪精神医療センターは、大阪府の精神科基幹病院として、重度の依存症や、自傷他害性、「重度かつ慢性」等、民間病院での処遇・対応が困難な患者さんを受け入れています。

これらの患者さんは早急に診察し、入院の必要性を判断しなければなりません。また、個室や、隔離のために保護室で対応する場合もあります。病床調整を行いながら、医師や看護師をはじめとした多職種の医療スタッフによる診療体制を構築し、重点的に治療に当たっています。

医療観察法病棟の運営

大阪府における医療観察法の指定入院医療機関として、大阪府、枚方市、近畿厚生局や大阪保護観察所等と連携して、総合的で専門的な医療サービスを提供し、医療観察法における入院対象者の早期退院と社会復帰を支援しています。

入院対象者に対して、医師や看護師、精神保健福祉士、作業療法士、臨床心理技術者等からなる多職種の医療チームが一丸となって手厚い専門的な治療を行っています。

治療中断者等に対する、医療面での支援を行うアウトリーチおよび訪問看護

精神疾患の治療を途中で中断してしまった方や、引きこもり等により病院の受診が困難な方々を、治療につなげる取組みとして、多職種の医療スタッフが地域の患者さんの元へ出向く「アウトリーチ」および訪問看護を、枚方市保健所等の行政機関や医療機関等と連携しながら実施しています。また、地域の訪問看護ステーションでは対応困難な事例に対しても、訪問を行っています。

地域で自立した生活を安心して送ることができるよう、看護師や精神保健福祉士、作業療法士等が自宅に訪問し、健康面や生活面の相談に応じるほか、服薬管理の指導等も行なっています。

また、重症例の患者さんの退院時には、アパートの賃貸契約手続きや、町内会をはじめとした地域との関係づくりのためのサポートも行う等、幅広いニーズに対応しています。

児童・思春期病棟および児童・思春期精神科外来の運営

小学生までを対象とした児童期、中学生から18歳未満を対象とした思春期の患者さんの診察を行う、児童・思春期専門外来と、入院治療を行う児童・思春期病棟を運営しています。

不登校や引きこもり、発達障がい、被虐待児等、子どもの心のケアについての関心が高まっている中、様々なこころの悩みを有する子どもたちの治療だけではなく、保護者への支援もしっかりと行っています。

入院治療を行う児童・思春期病棟は2つのゾーンに分かれており、思春期ゾーンひまわりでは、不登校の中学生を対象とした「ひまわり合宿入院」を実施しています。興味を持たれた方は、以下のホームページをご確認ください。

【ひまわり合宿入院ホームページはこちら】
※現在、ひまわり合宿の募集は行っておりません。
    

また、児童ゾーンたんぽぽは、医療型障がい児入所施設として、病院と児童福祉施設という、2つの機能を有しており、治療と生活支援を同時に行い、社会性を育むサポートを積極的に行っています。

児童精神科専門医が減少している中、平成28年度及び29年度には大阪府からの委託事業である「発達障がい専門精神科医師養成研修事業」を実施し、児童・思春期の精神医療分野の新たな担い手の育成にも努めています。

大阪府精神科救急医療体制における民間救急拠点病院のバックアップ

主に大阪府の北河内地域、中河内地域で発生した措置入院緊急措置入院応急入院の患者さんの受入れを行っています。

新病院建設により、個室・保護室を大幅に増やし、24時間体制で受入れ要請に積極的に応えることができるようになりました。

大阪府精神科救急医療体制では、バックアップ機能を担っており、休日・夜間に発生した精神科救急について、他医療機関で受入れが困難な場合であっても、最後の砦として断ることなく受入れを行います。

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